奨学金を申し込んでいても、実際に振り込まれるのは入学した後なので、受験費・入学金・親元を離れる人なら住居費用・前期の授業料などは、奨学金を当てにすると間に合いません。
奨学金が振り込まれるのは、4月下旬から5月中旬、遅い時は6月になります。

目次
出願から入学までの費用を知ろう!
授業料は奨学金を使うとしても、入学時にかかるお金はどうしよ、、、。


大学生協の2017年度の保護者に聞く新入生調査報告者によると、国立大学で平均127万8400円(自宅生)、私立大学で平均約148万4800円がかかっています。
内訳は、出願するのにかかった費用、受験のための費用、入学金や前期授業料、設備費など

少なく見積っても、約130万前後、多い人では200万を超えるお金がかかるということを知っておきましょう。
まずは、進学先の入学金や授業料をしっかりと調べましょう。
大学への入学手続きは、3月20日頃が最終締めき切りになりますので、遅くてもそれまでに、準備をするようにしましょう。
入学時にかかる相場がわかった所で、次に進みます!

・国の教育ローン
・入学時特別増額貸与奨学金
・入学時必要資金融資
ざっくり説明するとこんな感じです。
・国の教育ローン:上限350万を低利で貸してくれるローン
・入学時特別増額貸与奨学金:10〜50万貸してくれる奨学金(利息あり)
・入学時必要資金融資:入学時特別増額貸与奨学金は振り込みが遅いので、一時的に融資を受ける
国の教育ローン

日本政策金融公庫の「国の教育ローン」とは?
大学などに入学、または在学する人の親や保護者が、国から入学金や授業料、通学費などの費用を最大で350万円(海外留学資金の場合は、450万円)まで借りられる制度です。
しかも、世帯年収が200万円以下の人には返済の優遇措置もあります!
申請時の注意点
「審査に約10日程度」、その後「振り込まれるまでに約10日間」かかる点です。

受験する大学の合格発表のタイミングにもよりますが、合格が決まってからでは書類準備しているのでは、間に合わない可能性があります。
しかも、所得水準が上がるにつれて審査が厳しくなる傾向もあります。
なので、申し込んだからといって必ず審査に通るわけではありません。
審査を済ませておけば、後になってからキャンセルをする事も可能です。借りる金額を変更する事もできるので、日本政策金融公庫では「余裕を持って2-3ヶ月前に申し込み」を推奨しています。
国の教育ローンが必要になりそうな方は、遅くても、大学の願書を出すと同じタイミングで、申し込み、合格発表の時には審査も終え、「お金が既に手元にある」状態にしておくのが理想的です。

入学時特別増額貸与奨学金


では、入学時特別増額貸与奨学金を検討しましょう!
✔︎対象者
・第一種、第二種の申請者であること
→入学時特別増額貸与奨学金のみの申請はできません。
・奨学金申請時の家計基準における認定所得金額が「ゼロ評価」となる人
→4人世帯の給与所得者の場合で収入が400万以下
・上記以外の人で日本政策金融公庫も「国の教育ローン」が利用できなかった人
日本学生支援機構の入学時特別増額貸与奨学金とは?
→通常の奨学金とは別に「入学時に一度だけ」支給される「貸与型」の奨学金です。

10万〜50万を限度に10万単位で選択することができます。申し込みは、予約採用・在学採用どちらでも可能です。

入学時特別増額貸与奨学金の利息について
入学時特別増額貸与奨学金は、給付型・第一種・第二種と合わせて借りることができる「貸与型」の奨学金です。※入学時特別増額貸与奨学金のみを借りることはできません。
貸与型なので、返済義務があり、利息もつきます。入学時特別増額貸与奨学金の金利は、原則として、「第二種の利率(固定/見直し)」の0.2%を上乗せした利率となります。
第二種と入学時特別増額貸与奨学金を借りた人では、貸与終了後の一定期間までは、利率固定式か利率見直し式かを変更できます。→最終決定は、大学ごとに異なるので、大学の奨学金窓口に問い合わせをしましょう。
とりあえず申し込み
大学生活にかかる費用は、入学金や教材費などを考えると、「1年目が最もお金がかかる」と言われています。なので、入学時特別増額貸与奨学金を受給できれば、費用負担の軽減ができます。
入学時特別増額貸与奨学金は、予約採用の時に申し込んでおき、受給できるとなっても、最終的に奨学金の申請が完了する大学への進学届けを、提出時に辞退する事も可能です。
入学時特別増額貸与奨学金の振り込まれる時期


意味ないじゃないか!!!
結局振り込まれるのが、4月以降なら、意味ないじゃん。なんだこの制度?(笑)
と思いましたが、次に解説する入学時必要資金融資を活用すれば、入学時にかかる費用を用意することができます。
入学時必要資金融資
先ほど解説した、入学時特別増額貸与奨学金は、実際に振り込まれるのは、大学入学時の4月以降になるので、入学時までにかかる費用をまかなうことはできません。

入学必要資金融資とは?
日本学生支援機構の入学時特別増額貸与奨学金が振り込まれる4月下旬から5月半ば(遅いと6月半ば)までの間にかかるお金を「ろうきんから借りることができる」制度です。
借りられる金額は、申し込んだ「入学時特別増額貸与奨学金の範囲内」に限られ、返済も入学時特別増額貸与奨学金が振り込まれた時に、利息をつけて一括で返す仕組みです。
例えば、入学時特別増額貸与奨学金を50万円借りようと申し込んだ人は、50万円を上限にろうきんから借りることができます。
ろうきんの入学時必要資金融資を利用すれば、受験方入学手続きまでにかかるお金の一部を一時的に借りて、しのぎ、4月下旬から5月半ばに入学時特別増額貸与奨学金が振り込まれたらすぐに返すという使い方ができます。
今回解説している内容の参考書籍には、入学時必要資金融資の具体的な振り込み時期までは、記載されていませんでした。

なので、入学時必要資金融資を検討する方は、お近くの労働金庫まで問い合わせてみましょう!
サポート制度のまとめ
国の教育ローン
- 学生1人あたり350万円まで
- 入学金に当てることができる
- 収入制限がある
- 利息がつく
- 審査10日、振り込み10日の最短20日
入学時特別増額貸与奨学金
- 第一種もしくは第二種を借りる人が対象の「第三の奨学金」(入学時特別増額貸与奨学金だけを単独で借りることはできない)
- 10〜50万まで5種類から選べることができる
- 入学後の4月〜5月半ば、初回奨学金と一緒に振り込まれる
- 利息がつく
入学時必要資金融資(ろうきん)
- 日本学生支援機構の奨学金振り込み口座をろうきんに指定できる人
- 親や保護者の住所、勤務先がろうきんの取り扱い地域内であること
- 入学時特別増額貸与奨学金の受給者であること
- 入学時特別増額貸与奨学金での貸与額が上限
- 利息がつく
- 入学時特別増額貸与奨学金の振り込み後に一括返済
生活福祉資金貸付
- 低所得世帯であること
- 進学資金として借りられるのは50万円程度
- 必要ば時期に振り込まれる
- 利息がつく
母子父子募婦福祉資金貸与金
- ひとり親世帯
- 借りられる金額は大学(国公立)で38万円、私立で59万円
- 必要な時に振り込まれる
- 利息がつかない
参考書籍
今回は、竹下さくら先生の「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本を要約して、解説していきました。今回、解説したのはこの本に書かれていることのごく一部です。
もっと奨学金制度について、知りたい方はぜひ、読んでみてください。
「制度を活用して、進学費用を賢く準備せよっ!」ということで、いくつかの制度を解説していきました。実際に活用される方は、各制度について、ご自身でしっかりと調べてみてください!頑張ってくださいねっ!

奨学金を借りる方は、下記の記事も参考にしてくださいねー!